発注方法の種類と不適切設計コンサルタントについて
大規模修繕工事の発注方法は大きく分けて2種類あり、管理組合と施工業者のみで完結する責任施工方式と、横浜市住宅供給公社が推奨する設計監理方式があります。
責任施工方式
責任施工方式のメリット
- 工事費以外の費用がかからない
- 時間がかからない
- 管理組合の負担(総会の準備等)が少ない
責任施工方式のデメリット
- 工事内容のバラつきなどが生じ、工事費の比較検討の難度が高い
- 工事計画‧内容の調整が難しい
- 品質は施工業者次第
- 設計費が工事費に上乗せされる恐れ
設計監理方式
設計コンサルタントとは
劣化調査から設計(工事計画立案)、施工業者選定補助、工事監理と大規模修繕工事について管理組合をサポートする専門家(横浜市住宅供給公社や設計事務所など)です。
設計監理方式のメリット
- 工事の予算(適正金額)が設計の段階で分かる
- 同等の条件(同じ工事内容)で複数社の競合見積可
- 工事計画‧内容の調整がしやすい
- 適切な工事内容で施工品質の確保が期待できる
- 管理組合の手間が軽減
設計監理方式のデメリット
- 費用がかかる
- 時間を要する
- 契約に係る管理組合の負担(総会の準備等)が増える
不適切設計コンサルタントとは
国土交通省からも注意喚起がされていますが、昨今、発注者たる管理組合の利益と相反する立場に立つ設計コンサルタント(不適切設計コンサルタント)の存在が指摘されています。施工業者選定において談合を指示し、工事費にコンサルタントへのバックマージンを上乗せするなどの事例が確認されています。
このような被害に遭わないためには設計コンサルタントへ任せきりにしない体制、透明性公平性の確保できる設計コンサルタントの選定が重要です。
参考:国交省リンク